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無職から会社設立、社長へ。 |
いよいよ字幕inのお話ですね。字幕inのサービスについては実際のサービスを使ってみて頂くとして、法人化したことで、ご自身にどういった変化がありましたか?
字幕inが評判になって、ビジネス的にもたくさんの引き合いがあったので、この5月に会社を作って僕が社長になっちゃったんですね。「社長」としてリスペクトな人は、paperboy&co.の家入さんだなぁと思っています。社長なのに、すごく腰が低くて。ああいうスタイルに、僕はすごく憧れていて。なんか講演のときも控えめで、ああいう感じのキャラは大好きですね。
あと、社長になって感じることと言えば、たまに話をしている時に「社長!社長はどう思いますか?」と言われるとちょっと偉くなった気持ちになれるかなぁなんて(笑)、それは冗談なんですけど、責任感ってものが若干生まれてきたのかなぁ。やはり、社長になると責任感が出てくる気はしてます、まあ実際はそんなに変わんないですけど。ただ、僕は気楽なほうが好きなので、正直、この社長という地位からは早く逃れたいんですけどね(笑)むしろ僕は社長になったからって、自分のスタンスは変えたくないなと思っていて、法人化したといっても、自分がやりたいことは変わらないんだから、そのへんは社長らしい社長にならないように、会社っぽくならないようにしていこうと思っています。で、僕自身は、個人の活動の方のプライオリティの方を高くしたくって(笑)
なるほど、あくまでも活動のベースは個人の活動だと。
そんなの会社をやっている以上は言うなよって話なのかもしれないですけど、僕のベースになっているのは個人の活動であって、それが会社を動かしていくモチベーションになっているっていう感覚があるんですよ。そういう意味でも個人の活動のほうを重視して、そこで新しく生まれたものがあれば、また別に法人化するかもしれないし、また新しい発展があるかもしれないし。それが字幕inに役立つことがあれば還元するとか、そういうスタンスでやっていきたいなと思っています。
字幕inから生まれた出会い。 |
法人化して一番よかったことは何ですか?
僕は、基本的に「色んな人とのつながりを持ちたい」って考えてるんですけど、字幕inをちゃんと法人化したおかげで、あの字幕翻訳家の戸田奈津子さんとお会いする事ができました。きっかけは字幕inを使った字幕コンクールです。角川映画と神田外語学院とのタイアップ企画で、戸田さんが選んだ作品に、応募者が自分ならではの字幕をつけるって企画なんですよ。
字幕inが無かったらなかなかお知り合いになれない方ですね。コンテストへ字幕inをツールとして提供されたとのことですが、どんな感じでツールの開発を進めたんですか?
コンクール用の字幕挿入ツールには、字幕inをそのまま使ったわけではなく、戸田奈津子さんの想いがかなり入っています。もともとの機能に対して、戸田さんから「それって字幕翻訳者として有り得ないわよ」みたいなダメ出しをかなりいただいて、最終的に出来上がったものが今回のツールなんですね。今回のコンクールでは、課題として選ばれたシーンに対して字幕を入れて行くんですけど、もともと字幕inは字幕を入れるタイミングをユーザーが自由に決めて、それに対して字幕を入れていくんですね。で、この機能を戸田さんに見せたところ、「字幕挿入のタイミングまで翻訳者に求めるの?」みたいなご意見をいただいたので、急遽仕組みを変えて、タイミングは予め設定されていて応募者は字幕の部分だけを入れるっていう機能に変えたんですよ。
この他にも、字幕翻訳家的には、字幕の文字数ってのは予め決まっているものなので、それを越えたりとか、それより少なかったりするのは有り得ないということだったので、打ち込んだ文字数がリアルタイムに出るような仕組みを取り入れたりもしているんですよ。こっちで作っては戸田さんからご意見をいただいて直していくっていうコラボ的な作業を続けて、このツールの開発にはのべ一ヶ月ほどかかりました。おかげさまでツールもだいぶ使いやすくなって、応募者は、シーンの中で話されている英語と、戸田さんが翻訳した日本語を見ながら、自分なりの字幕を打ち込んで、確認したうえで応募っていう機能が完成しました。今回は、マジな字幕のコンクールだけで、基本的には面白おかしい企画は無い感じなんですけど、これから色々と発展がありそうですよね。
開発を終えて、いかがですか?
今までは、こんなふうに人に指示されて作業するような仕事って、なんだか面倒に複雑になってしまうケースもあるので、基本的にはやりたくないなと思っていたんですね。ただ、こうして実際にやってみたら、ここから戸田奈津子さんのような素晴らしい方にお会いできてすごく面白いし、素晴らしいものだと思えて。色んな意見をベースにツールを改良できたという面でもプラスになったと思いますしね。作っていくうちにそういう展開があるっていうのも、サービスをつくるモチベーションにも繋がっていると思いますよ。
法人としての字幕in、そして自分自身。 |
字幕inを法人化した背景をもう少し聞かせてください。
サイトを公開してからは、「商用目的で利用させてほしい」というお話だとかがすごくたくさん出てきて。そういったビジネスの契約を結ぶ時に、個人だとやりづらい部分もあったり。それから今後、字幕inがいろんな分野で役立ちそうだみたいなノリで、媒体への露出が増えていったんだけど、僕、矢野さとるという個人が前に出たとしても、あまりメリットが無いなぁと思って。それだったら字幕inを会社にしてしまって、字幕inそのものにスポットを当てよう、と。あと、会社を作ってメンバーが育ってきたら、僕自身がそこまで字幕inに関わらずとも、ちゃんとサービスが回っていくわけじゃないですか。そうなったら、僕は空いた時間を使って個人の活動ができるなって思って、まずは法人化したという感じですね。でも、こうして「字幕in株式会社」を作ったことで、信用も生まれてきたのか、会社作ったんだったら俺も協力したいんだけど、っていう人たちが現れてくれたりとか、色んな話が進めやすくなったなと思います。実際に、今日も別件でお話してきたんですけど、字幕業界で活動されている方と何か一緒にやろうと考える際にも、自分の本気度を見せるための方法として、法人化というのはそれなりに説得力がありますね。そういう意味では、色んな人たちとの関わりを保つためにも、会社があったりすると便利だなって気はしますね。
ぶっちゃけて言えば、「字幕」ってけっこう渋い感じがするでしょう。僕自身も字幕inに関わっていなかったら、そう感じていると思いますよ。でもそこに、もっとIT的な工夫を加えることで、面白いアイデアだとか、意外な発展だとかが出てくるんじゃないかなと思っています。あと、聴覚障がいを持っている方たちにとっては、字幕ってとても役立つ分野なんで、すごくやりがいがありますね。そういった分野って、なかなかビジネスとして成り立たなかったりもするんですが、字幕inをきっかけにして関わりを持つことができて、今では、会社としてだけではなく、個人としても何か貢献したいなって思っていますね。
なるほど。聴覚障がいを持っている方々にとっては、字幕は重要なツールですもんね。で、字幕inがきっかけとなって、そういった人たちともつながりができたと。
考えてみれば、前から、そういう障がい者の方々のために何かしら役に立てたら良いなあという漠然とした想いはあったんですけど、やっぱりきっかけがないとなかなか動けませんよね。今は、そういった想いを現実にできて、関わりを持てることがすごく嬉しいんです。「人のために役立てる」ことは、自分にとってもいいことですよね。僕は昔、勉強ができなくって、ものすごいダメ人間だなって自分に劣等感を持っていた時期があって。その時には、まさか僕なんか人のために役立つ訳がないと思っていたんですよ。でも今はWebを通じて役立てることがあって、それは本当に嬉しいことですね。
http://www.tkrb.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=30 |
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